COUNTER BREAK

ブイさんと本と映画などの記録。

人間失格

剛つんのお誕生日なので、初日に見てきました。

原作は本は薄いものの、凝縮してあるので時間が足りない感じです。
葉蔵の幼少期のエピソードがざっくり削除されているので、いまいち葉蔵の人間性が掴みづらい。
これがなくなってしまうと、ただのだらしない男になってしまう…。
超有名作だけに、原作を読んでいる事を前提に作ってあるような気がしました。
話の流れが速すぎて、物語としては不満を感じる。
最後の言葉は入れなくて正解だったように思います。
この葉蔵は 神様みたいないい子 には見えない…。


監督がこだわった映像美と、斗真くんの演技は良かったです。
葉蔵の弱さとかよく現れていたし、室井さんとのシーンが迫力があった。
女優陣では寺島さんが一番好きです。激しい女性も、静かな女性も演じられる方ですね。
幸の薄い雰囲気が出ていて素晴らしいー!


葉蔵を取り巻く色んな女性が出てくるんですが、印象的なのは男とのシーンの方でした。
中也への憧れ、堀木との関係…。
葉蔵の上を通り過ぎていく女達に対し、楔を打つのは男達。
私は堀木のようなどろどろした人間が大好きです!(見ている分には)



で、森田さんですが、

ここまで破格の扱いとは!!!
監督、中也の映画作ってください。
酔っ払って絡んでくるちんちくりん。
でも話の内容は
「花は何色だ?」
って!
何その絡み方。
可愛すぎる!w
その後あっさり投げ飛ばされるちんちくりん。
葉蔵にちんちくりんって言われているのもまた可愛い。
ちんちくりん…。
ナイスネーミング。鈴が鳴ってそうじゃないですか?

最初は絡んでくる中也さん。実は葉蔵を見込みがあると褒めていたりもする。

でた、ツンデレ!!!

「ぼ、ぼくは、お前なんか認めてないんだからねっ!」

しかも一人称がぼくですからね。最近「ぼく」づいている森田。


古本屋で再会したときは、売った画集を買い戻してくれる中也さん。
前回とはうって変わって優しい人になっている。
ギャップで翻弄ですか?
しかもマント。
マントはいいねぇ…。

トンネルを通るシーンでなぜか上から線香花火が。

大画面に


森田の舌!!!!!!!!!!!!!!


(声にならない叫び)


この瞬間の動揺を分かっていただけるでしょうか。
変な声が出そうになりましたよ。


二人で海棠の花を見つめ、将来を語る。
「ぼーよ、ぼーよー」
(剛が喋るとひらがなに聞こえる不思議)
葉蔵が心から安らいでいると感じられるのは、このシーンだけじゃないでしょうか。
心を通わせているのが分かるいいシーンです。

出番が終わったと思ったら、意外とまだありました。
亡くなったと聞いたシーンの儚い笑顔とか…。
最高です中也さん!
最後も花を担いで登場。
最初から最後まで花ですよ!
花しょった中也さん。
女優陣を押しのけて、花のシーンばかりの三十路男w
海棠は散る花だったので、儚いものの象徴?
女性は強く現実的なので、あの夢のような儚いシーンには、あえて中也だったのでしょうか。
もうすぐ去っていく人だということも匂わせてますし。



監督も各誌で書かれていますが、葉蔵を一番分かってあげていたのは中也だったのかな。
そんな大きなポジションをオリジナルキャラが持っていくという、ね。
監督の中也への思い入れが伝わります。
そんな役をあててくれてありがとう!


とりあえずDVDになったら買います。
映画はもう一回見に行くかな…。