昭和初期に女中として働いたタキと、平井一家の物語。
私の祖母くらいの年代の方が生きていた時代のお話。
老人になったタキさんが思い出をノートに書いていく、という形式で紡がれていきます。
昭和と言うと戦争のイメージが強く、重苦しい雰囲気を想像しますが、この話は少しお金持ちな一家の普通の生活を書いています。戦争シーンもどぎつくなくて、読みやすい。
毎日の食事、洗濯、お掃除、一年の行事。
特に食事の描写が美味しそうでお腹が空く!(>_<)
奥様の秘密、旦那様の秘密、そして最後までタキさんが持っていった秘密。
明かされない謎が余韻を残す傑作。
そして装丁の朱色と黒のレトロさも可愛い。