COUNTER BREAK

ブイさんと本と映画などの記録。

IZO感想 1回目

IZOの感想など書いてみようかと思います。
見ていない方もいらっしゃると思うので、詳細は隠しておきます。

Mさんに「後からじわじわ来ますよ」といわれましたが、今じわじわ来てるよ…。
見に行く回数を増やすか迷っていたんですが、私には5回で充分(-_-;
役者への思い入れが強いと本気で悲しくなるので、ラストが悲しい話はあんまり何回も見れません。
5回でも多いよ!って話だけど。

見に行く前に事前勉強で本を読みすぎてイメージが固定されてしまったので(学生時代もこれぐらい予習すれば人生は違っていたと思う/笑)これから見る人はあまり小説は読まない方がいいのかも?
でも幕末の出来事と土佐藩を知らないと話が分かりづらいので、Wikiとかで登場人物の項目を見ておくといいかもしれません。上士と郷士とか。



舞台は回転と映像を使って、シーン数はとても多いけどスピーディでよどみなく進みます。
本当に映画みたいだった。
あの回転するセットは凄い。一部ラストの暗殺シーンは特に興奮。
いのうえさんが墨絵のような舞台といっているとおり、色彩的には抑え目で朧や髑髏と比べると地味な感じ。


話で一番意外だったのが武市先生が良い人であったこと。
鈍感な部分は有ったけど、最後まで良い人だった。
何冊か読んだ小説ではどれも最後には冷酷人間になっていたので、武市先生に対するイメージが変わりました。
土佐の人々を率いた人だから、カリスマ性のあった人だろうと思うし、武市を温かみのある人として描くことで、以蔵の忠誠心も理解できやすいし説得力があった。
逆に以蔵が腹黒くてビックリ。田中を陥れるとは…!悪知恵が働く以蔵。
でも、これも全て以蔵が純粋だったからゆえなのかな。
何もかもかもがストレート。
好意も嫉妬も全部。
感情のまま走り、走った結果を考えられない。
自分の好きな人を悪意に利用して、ミツちゃんが傷つくことも想像が出来ない。
哀しい奴だ……。
以蔵にとっては武市だけがどん底の生活から救い出してくれる希望で、それにしがみついているうちにいつの間にか離れられなくなってしまったのではないのかな。
本当は抜け出すための道は武市だけじゃなく、竜馬やミツちゃんだって教えてくれていたのにね。
特にミツちゃんは何度もそれを伝えていたけど、猪突猛進な以蔵には届かず…。

以蔵はどんどん闇に染まっていくのに、ずっとミツちゃんは清々しい空気を持っていて対照的。
最後まで想いを伝え合うことのなかった二人の関係が切ない。
以蔵は最期の瞬間に、ミツちゃんの花に包まれて死ねたことが救いだったんじゃないのかなぁ。
死の直前にやっと二人の気持ちが重なった。
あの花の演出は泣けますね。

あと泣けるのは最期まで武市と以蔵の間に情があったのと、
雪の降る中、京をさ迷う以蔵。その後ろをミツちゃんが花嫁姿で歩くシーンでした。
あのさ迷うシーンマッチ売りの少女だよ……。

剛:出ずっぱりで頑張ってました。ただ最初の安五郎さんとのシーンとか台詞がとても聞き取りづらい…。
着物から見える胸元がケンタッキーのチキンのようにあばら骨くっきりで、「この人の内臓はどこに…」といつもの疑問を覚えました(笑)
女郎屋のシーンで黒い着物姿が身体の線くっきりでエロいです(笑)
せっかく女郎屋だからそういうシーンがあってもよかったのにねー。
いのうえさんがパンフに書いていたけど、いつも居場所を探していそうな気がするというのがよく分かりました。
少しだけ周囲を離れてみている剛の空気が以蔵と合っていたのではないでしょうか。

戸田ちゃん:初舞台とは思えないほど堂々としていて、台詞も聞き取りやすいしお見事でした。
剛と同じくらい華奢なので並んでいても違和感もなく(腰も折らずにすむ(笑))
前から好きな女優さんだったけど、さらにファンになりました。

田辺さん:スタイルはいいし、声は通るし、とても舞台栄えする人です。
牢のシーンで着物姿になりますが足がなげぇーー。
魅力的な武市先生だったと思います。
こんな先生ならついていくよ!

池田さん:ヒミツの花園でもコミカルな演技でムードメーカーをされてましたが、今回もヘビー話の中で池田さんの演じる竜馬の出番は終始明るかった。
癒し!
以蔵に剣を「抜けや」というシーンは文句なくカッコいいです。
コミカルがうまい人はやっぱりシリアスな演技もお上手でした。