英国王のスピーチ
アカデミー賞受賞作。
吃音に悩むジョージ六世が、言語聴覚士ライオネルの力を借りてそれを乗り越えていくヒューマンドラマ。
現エリザベス女王の父上です。
国民の前で話さなければならない人が、吃音というのはどれだけのプレッシャーだった事でしょうか。
ちょうど金閣寺の舞台で、言葉がでないもどかしさを見てきたところだったので、吃音の方の苦しさがよりリアルに感じられた。
ジョージ六世は第二王子で本来なら王になる人ではなかったのに、事情により王にならざるをえなくなった。
少しの傲慢さはあるものの国を考え国民を思う王の資質はあるが、本人は吃音のため王になる自信がない。
彼の吃音を治療するため言語療法士ライオネルと、妻のエリザベスはジョージを支える。
すれ違いでぶつかりながらも王とライオネルは信頼を深め、身分を越えた友人となる。
クライマックスのスピーチではライオネルはマイクの前に立ち、まるで指揮者のように王を促す。
友の指揮を信じ、王は言葉を紡ぎ国民へ言葉を届ける。
スピーチの時は二人の俳優の演技が最も輝いている。スピーチの内容もいい。
泣けた。
映画ではジョージ六世を王としての立場より、一人の人間として描いているので、この場面では見ている方も感情移入してしまいます。
一番の盛り上がりがスピーチなので地味な作品ですが、しっとりと染み入る素晴らしい映画でした。
人の絆は素敵なものです。